私は、「いつか住みたい」と思う理想の家を見つけました。私が仕事に行くとき、毎日通る道にその家はあります。もう何年も前から空き家になっていて、傷んでいてきれいな家とは言えません。けれども私はその古い日本家屋が気に入ったのです。そしてその家の近くを通るたびに「いつかこの家に住む」と唱えています。こういった考えをどう思いますか。
多くの人は過去の経験に囚われて生きている
あなたの考えは潜在意識を味方につける原理に基づいています。潜在意識に自分の願望を刷り込むときによく言われているのがイメージングです。なりたい状況を明確に思い描いて、それをありありとイメージをすることが大事なのです。けれどもあなたの場合は、実際にその実物を見ることができるわけですから、潜在意識に刷り込みを行える絶好の状態といえます。
ある中年の男性がいました。彼は40代半ばで人生に疲れ切っていました。彼は、今までに大きな失敗した経験をもっており、やっと食べていける程度の収入しか得られていませんでした。彼は何をやってもうまくいかない日々に嫌気がさしていたのです。
彼は自分の人生を嘆いていました。「私は運が悪い人間です。何をやってもうまくいかないし、特別な能力もありません。私はこのまま一生不幸な人生を続けていくしかないのでしょうか」。
このように彼と同じようなことを思っている人はたくさんいます。そんな時、どのようにしたらいいのでしょうか。
それはあなたが成し遂げたいことを考えることです。つまりあなたの一番の願望を決めるのです。
彼は、「以前、会社を経営したことがありますが、2回も失敗してしまいました。ですが、本当は、日雇いの仕事ではなく映画館を経営したいのです」。
彼は、過去に経験した失敗に囚われて、本当の夢をあきらめていました。
けれども大事なことは過去の経験を引きずって生活をするのではなく、そのような出来事は捨て去ってしまうことなのです。人というのは、いつまでも過去に経験したことに囚われて生きているものです。
良い経験も悪い経験も過去の経験はあなたの現在の考え方に影響を及ぼしています。それは癖のようになっていて、落ち込むような出来事があった時には、勝手にネガティブな考え方になってしまうのです。
過去の失敗を捨て去る、そうすれば同じことは起こらない
重要なことは過去の嫌な経験に囚われることをやめることです。いつまでも過去の失敗や出来事を現在に引きずって未来を創る必要はありません。あなたは自分が本当に成し遂げたいことに目を向けるべきなのです。
あなたの一番望んでいることを、明確にイメージしてください。それが未来のあなたになるのです。そのことだけを想像して毎日生活をするのです。
彼はそのアドバイスに素直に耳を傾けました。そして「私は映画館を経営し、成功できることを知っている」と毎日、自分に何度も何度も言い聞かせることを習慣にしたのです。その習慣を続けて数年後には、彼は2か所の映画館を経営し、経済的にも豊かな生活を送ることができるようになっていたのです。
彼は、過去に大きな失敗を経験しましたが、それを捨て去り、自分の心に思うイメージを自分の望むものにしただけです。それだけで成功したのです。
特定のものは引き寄せられないことがある
あなたは、実際にその実物を見ることができるため、より具体的にイメージをすることが可能です。その道を毎日通るたびにその様子をインプットできるのですから、これほど強烈なことはありません。
けれどもひとつだけ注意する必要があります。
それは、「その家」という特定のものにこだわらないほうがいいということです。例えば、あなたの望んでいる家が先に他の人が購入してしまった場合はその夢はそこで終わってしまうのです。ですから、ある特定したひとつのものにしてしまうと願望が叶わないことがあるのです。では一体どうしたらいいのでしょうか。それは恋人を引き寄せる場合と同じだと考えてください。
ある女性は、大好きな男性がいて、その男性と結婚したいと望んでいました。けれども私はこのように考えます。
特定の人物と決めてしまうと、その人が他の人と結婚する可能性があります。ですからその人だけに決めずにこういう人という理想とするタイプにすることで、その人も含めて恋人を引き寄せられる可能性が大きく広がるのです。
そしてその夢がかなわないこともありません。
あなたの家もこれと同様のことがいえます。ですから、「この家」ではなく「このような家」とすることが最もよいでしょう。