私は、付き合いの長い知人に頼みこまれて会社の運営資金を貸してしまいました。
彼は歴史のある会社の跡継ぎだったので安心していたのですが、その会社は数年経って倒産してしてしまいました。しばらくするとその一家はある日突然行方不明になってしまったのです。
最近、ひとづてで、やっと彼のいる場所がわかりました。今は、他の場所で会社を経営しているそうです。
私は彼に貸したお金をしっかりと返済してもらいたいと思っています。ですが知人なので、トラブルになりたくありません。できるのあれば、嫌な取り立てなどしないでも自分からお金を返しに来てもらいたいのです。
こんな時、どうしたらいいのでしょうか。
人は正直で善良である
お金の貸し借りはトラブルになりがちですね。「貸したお金はあげたと思え」という言葉がありますが、そうは言っても貸した側からすれば、ちゃんと確実に返済してもらいたいものです。
実は、お金の返済についても潜在意識の力を借りることができるのです。
こんな男性の話があります。
ある金融業界に勤めているベテランの中年男性はこんなことを言っていました。
「私は長い間、この業界に勤めています。そしてたくさんの人にお金を貸し付けましたが、人というのは多くの人が善良で正直な人だということです。私は、性善説を信じているのです」。
「確かに今まで多くの人とかかわっているので、中には返済が滞ってしまう人や自分がお金を返済できないことを正当化してトラブルになる人もいないわけではありません。ですが私はそういったことにいちいち惑わされるのをやめることにしたのです」
「私は、そういった人も含めて全ての人に感謝し、私は自分を信じて進んでいるだけです」
彼はこのように自分なりの人生哲学を持っていますが、初めからそうだったわけではないそうです。
過去には、トラブル続きでたくさんの困難な出来事や失敗があり、人生の方向性を見失うこともありました。その中で人を信じられなくなり、強く人を非難したこともあったと言います。
そんな彼の考えが変わったのは、ある講演会で潜在意識の話を聞いた時だったそうです。
他人を変えるのではなく、自分の考えを変えてみる
その講演を聞いた時、彼には、全然借金を返済しなくてトラブルになっている融資を多額にをしている顧客が十数名がいました。しかし、彼が講演を聞き、考えを変えてから既にその中の9人から入金があったといいます。
彼は一体何をしたのでしょうか。
彼は講演を聞く以前に行っていた行動は、全然お金を返済しようとしない人たちに対して、一般的に行われている方法と同様に返済を迫っていました。それは債務者に行うことができる法的手段を用いたものです。
しかし、法的手段を用いても支払いをしないのがこの顧客でした。この人たちからお金を返してもらうことは大変難しいということは容易に予測することができます。
実際にその道の経験が長い彼が、その顧客に返済を迫っても全く歯が立たなかったのです。そこで彼はその方法を変えることにしたのです。
そのヒントになったのがこの講演会だったのです。
彼は話を聞いて潜在意識を使って借金を返済してもらおうと思いついたのです。
彼は潜在意識の力を受け入れ心の底から信じることにしました。
そして彼は、頑固な債務者たちについてこんな風に考えることにしたのです。
「宇宙(潜在意識)は、彼らを豊かにしてくれるに違いない。そして彼らが良い行いをするようサポートするだろう。
彼らは、善良で正直で真面目であり、全てのことから感謝されている人達なのだ。そして彼らは私に喜んでお金を返してくれるに違いない」。
彼は、この言葉を毎日繰り返し、繰り返し唱えていました。
彼がこういった考え方をすることは初めてでしたが、1か月を過ぎる頃になると十数人の債務者のうち、9人も自分からお金を返済してきました。
彼は残りの数名に対しても近いうちに返済してくれるだろうと確信しています。
債権者が考えを変えると債務者の心も変化する
多くの人はこれと全く反対のことをしています。つまり、何が何でもお金を返してもらおうと繰り返し返済を迫ったり、法的手段を行使するのです。けれどもこれは人によっては全く逆効果になる場合があるのです。
そうではなくて借りたお金を全く返済しようとしない人に対しては、まず、彼らに対する自分の考えを変えてみることです。そうすることで相手の潜在意識に働きかけ、それが相手に伝わって、自然と「お金を返そう」という気になるのです。