第十四話 堕落

私は空手道場のその後輩と練習後に食事に行くようになりました。

その男は現在無職です。
しかし、誰もが知っている一流大学卒業です。

話を聞くと以前の会社では上司とどうしても合わなくて辞めたとのこと。

性格的には学生時代にオーストラリアに留学していたので
その影響なのか知りませんが
「日本の社会はおかしいとか」
「みんなせっせときすぎだ」
という、変わり者です
ひねくれていると言ってもいいかもしれません。

その男は無職
私も昼間には自由に動けるので

週に1回か2回くらい道場に行くときは
空手道場→食事→居酒屋→その男の家に泊まるというサイクルになりました。

その男は、一日中酒を飲むような男で
煙草も吸いまくる
そして、いつも世の中へ不満を言ってばかりいました。

しかし、私は、一流大学卒業なんだから悪い人ではないという思いと
その男といると孤独が紛れるし
インターネットの話などで気が合って次第にかなり親密になりました。

私は次第に昼間から酒を飲むようになり
その男の家にプレステを持ち込み
煙草を吸いながらゲームをするという自堕落な生活をし始めたのです。

事業所得があったので、毎日働かなくてもお金が入ってくる私は
現在無職のその男に食事を奢ってやったり
ゲームソフトを買ったり
夜のお店で飲み歩いたりしました。

「松田さん、おっぱいパブに行きましょう」
「松田さん、風俗に連れて行ってください」
「松田さん、キャバクラ行きましょう」

風俗だけは受け付けない私は
おっぱいパブや風俗関連は彼にお金を渡して行かせて
キャバクラなどには2人で行っていました。

夜は飲み歩き
昼間はビールなどを飲み
彼の家に入り浸るようになりました。

彼は以前の職場が営業職なのか
元々コミュニケーション能力があるのか
とても人をのせるのがうまくて
彼といると私はとても気分が良いのです。

おだて上手と言うか
おねだり上手
そして飲ませ上手です

今思えば、人を堕落させる術を知っているプロだったんじゃないか?
と思うほど話がうまいのです。

こんな生活が約半年くらい続きました。

私はアルコールで脳みそがおかしくなって
半分アル中のような状態になっていたようです。
いつも酒を飲んでいました。

コンビニに行くっては
サントリーのウイスキーや
ジャックダニエルの500mlくらいの中瓶を2本買って
家に帰る事には1本は飲んで
家で二本目を飲むころには彼から電話がありました

「松田さん、9時からキャバクラ行きませんか?」

私はタクシーで5000円くらいかけて彼の家に行ったり
タクシー代も馬鹿にならないのでそのまま彼の家にいる事が増えました。

週に5日は彼の家
2日は自分の家と言った感じです。

アルコールの量はかなり増えています。
ウイスキーのストレートをビールのようにごくごくと飲んでいました。
煙草も一日二箱は吸っていました。
そして、夜はキャバクラに行くという事を繰り返し

次第に私は仕事を完全に忘れて
「ネットで週に一回1時間くらい作業すれば合格」等と言うバカげた目標設定をするようになりました。

そして、彼と遊んでいると貯金はどんどんなくなります。
半年くらい経つと
数百万あった貯金がある時30万円を切りました。

お金のない私にも彼は
得意のおだてとコミュニケーション能力で
少し危機感のある私の状況などしるはずもなく
「松田さん、飲み足りないっすよ、キャバクラ、風俗行きましょうよ」
と誘ってきます。

そんな感じで7か月くらいたつと
彼はとうとう就職しました。

失業保険のもらっているから大丈夫等と言っていましたが
貯金や保険の期間がきれたのか、知りませんが彼は再就職をしたのです。
無職状態がこれ以上続くといけないと思ったのかもしれません。

彼は就職し、私は昼間から彼の家で飲むこともなくなりました。
彼は、一応正社員なので、朝早く起きて夜は疲れて帰るので
週末しか会わなくなりました。

不思議な縁

彼とは不思議な縁を感じていました。
例えば、私が全く知らないような駅で待ち合わせした時
「とりあえず駅に行ってから電話するわ」と言っていたとします
けっこう大きな駅なのに、電話をしたら次の瞬間彼が向こうから歩きながら電話をとったりと
「あ、そこにいたのか」って感じです

例えば、新宿で待ち合わせした時
事前にATMでお金を降ろさないとなと思って並んだその列に彼がいたりと・・・

全部は書きませんが、「不思議な引き合っている感」があったのです。

彼が再就職して、私も以前のように彼と飲み歩くこともなくなり
家にいる事が増えました。
ずっとサボっていた仕事を再開して
3か月ほどたった時、とんでもない出来事が起こったのです。

>>第十五話へ続く

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